2024年シーズンも終了し、プロ野球の各球団では来年に向けた契約更改が行われています。
そしてファンの中で注目を集めているのが今年も行われる『現役ドラフト』ではないでしょうか。
なかなか出場機会が得られなかった選手が新天地で活躍する姿をみると、素晴らしい制度のように思えますよね。
今回はそんな現役ドラフトについて仕組みや2024年シーズン末時点で最も成功した選手、球団を振り返っていきます!
現役ドラフトの仕組みと2024年の予定
まずは現役ドラフトについてそのものの制度をまとめておきます。
埋もれた選手の発掘が目的
現役ドラフトは2022年から始まった新たな制度です。
各球団が出場機会の少ない選手をリストアップし、他球団がその選手を指名することで、選手に新たな活躍の場を提供するのが目的です。これにより、才能を埋もれさせることなく、球界全体の戦力を活性化させる意図があります。
初年度の2022年はドラフト下位指名の選手が多くリストアップされていましたが、2023年の現役ドラフトでは阪神タイガースが2017年のドラフト1位で指名した馬場皐輔投手をリストアップしたことでも話題となりました。
2024年12月9日にも現役ドラフトが実施される予定で、基本的な手続きは前年と同様です。
この制度により、選手は新天地で出場機会を得やすくなり、控えに甘んじていた選手が大きなステップを踏むことが期待されます。
最も成功した選手3名の活躍
ここからは現役ドラフトで最も成功したとされている選手3名を紹介します。
※年俸に関しては全て推定の金額です。
1. 細川成也(中日ドラゴンズ)
現役ドラフトで最高の成功をしたのがDeNAから中日に移籍した細川成也選手と言っても過言ではないほど活躍をしています。
移籍前
横浜DeNAベイスターズで強打の外野手として注目されていましたが、外野陣の層が厚く1軍出場機会が限られていました。
また、その状況がプレッシャーとなり、2022年には1軍でわずか18試合出場、打率.053と結果を残せませんでした。
移籍後の活躍
2022年の現役ドラフトで中日に移籍すると打棒が開花。主力として定着しました。
和田一浩打撃コーチとの連携が功を奏し、移籍一年目の2023年、中日の日本人選手として和田打撃コーチ、森野将彦コーチが2013年に記録して以来10年ぶりに20本塁打(24本塁打)を記録しました。
そしてその年の契約更改で、3510万円増となる年俸4500万円と大幅にアップしました。
2024年も活躍を続け、143試合に出場し、チームトップとなる打率.292、23本塁打、67打点の成績をおさめ、自身初、現役ドラフト経験者としても初のベストナインに輝きました。
2. 大竹耕太郎(阪神タイガース)
細川成也選手と並んで現役ドラフトの成功選手として言われているのがソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎投手です。
移籍前
2018年に育成選手としてソフトバンクに入団した大竹耕太郎投手は1年目で支配下登録を勝ち取ると、育成出身新人では初となる一軍公式戦初先発・初勝利を記録する活躍を見せました。
2020年までは順調に結果も残し、先発ローテーション入りも期待されましたが、怪我の影響や、豊富な投手陣の中で2022年には2試合の登板にとどまり、防御率6.43と結果を残せず、その年のオフに現役ドラフトで阪神タイガースへ移籍することとなりました。
移籍後の活躍
2023年に阪神に加入すると開幕から無傷の3連勝、防御率は0.51という抜群の滑り出しを見せました。
さらにオールスターにも初選出されるなどの活躍を続け、投手陣の柱としてチームのリーグ優勝に大きく貢献しました。
そのことが評価され、2023年12月10日に契約更改交渉を行い、約3倍増の年俸6700万円でサインしました。
2024年は1月に左肩のガングリオン(良性腫瘍)除去手術を受けましたが、シーズン開幕から先発ローテーションを守り切り、11勝をあげ、自身初の規定投球回に到達するなど、安定した投球を見せ続けてくれました。
3. 水谷瞬(北海道日本ハムファイターズ)
2024年、現役ドラフトで大成功を収めたのがソフトバンクから日本ハムに移籍した水谷瞬選手です。
移籍前
島根県の石見智翠館高校から2018年にドラフト5位でソフトバンクホークスに入団した水谷瞬選手。
怪我や厚すぎる選手層の影響で一軍での出場経験はゼロでした。
移籍後の活躍
2024年に日本ハムに移籍すると才能が開花。
交流戦では交流戦で最高打率4割3分8厘をマークし、最優秀選手(MVP)に輝くなど、出場機会を得て大ブレークしました。
この活躍を受け、契約更改では年俸560万円から2140万円増の年俸2700万円で契約更改しました。
このアップ幅は現役ドラフト選手の中で史上最高となりました。
水谷瞬選手はナイジェリア人の父から譲り受けた抜群の身体能力を活かして来年以降の活躍も期待されています。
最も成功した球団は?
「現役ドラフト」という制度で最も得をしたと言われているのが阪神タイガースです。
なんといっても先発ローテーションの柱ともなっている大竹耕太郎選手の加入による投手陣の強化がなされたことが最も評価を受けるポイントとなっています。
実際、阪神は大竹選手が加入した2023年に投手陣が安定し、チーム防御率2.66と圧倒的な成績を残しています。
また、中日ドラゴンズも細川成也選手の加入により長年の課題であった打撃力不足を解消させたことで、成功したチームの一つと言われています。
まとめ
現役ドラフトは、選手の潜在能力を最大限に発揮させる貴重な制度といえます。
成功事例を見ると、選手個人の成績向上だけでなく、球団全体の戦力強化にもつながることがわかりました。
2024年の現役ドラフトでも、より多くの選手が新天地での飛躍を目指すことが期待されています。
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